日本人の約7割がスマホ依存症を自覚
現在の日本ではスマートフォンは無くてはならない必需品ですが、多くの人がその便利さに頼る一方で依存症を自覚する声が高まっています。
2022年11月にMMD研究所による15~69歳の男女を対象にした統計調査結果によると、全体の約7割(69.9%)の日本人がスマホ依存症を自覚しており、「かなり依存している」「依存している」と回答しています。
情報源:MMD研究所
若者全体の7割が自覚しているということはこれは単に若者の問題ではなく、社会全体が直面している課題と言えるでしょう。
年代別に見ると、20~40代が最もスマホ依存症の自覚が高く、男性よりも女性の方がスマホ依存症の自覚が高い傾向がありました。
スマホ依存症度チェックリスト
上記の統計では「自分でスマホ依存症を自覚しているかどうか」が焦点となっていましたが、客観的にスマホ依存症になっているかを判断するためにチェックリストを使うのが手っ取り早いでしょう。
まずは以下のチェックリストにいくつチェックが入るかで自分のスマホ依存度と向き合ってみて下さい↓
- ちょっとしたスキマ時間にスマホを触っている
- 寝るときにスマホを枕元に置いて寝る
- 情報収取の殆どがスマホ
- スマホなしで1日過ごせない
- 移動中にもスマホを持ち歩きながらチェックしている
- スマホが身近にないと不安になる
- 食事中でもスマホを見ることが習慣になっている
- トイレに行くとき必ずスマホを持ち歩く
- 着信音ないのに着信音や振動を感じる事がある
- 入浴の際、脱衣所に必ずスマホを置いている
- 人と話している時も、スマホを触っている時間が多い
- 対面にいるのにチャットで会話する
私はそこまでスマホを使っていないと思っていたのですが、ほとんどにチェックがついていました💦
論より証拠:iPhoneのスクリーンタイムが答えを知っている
個人的にチェックリストはかなり厳しいように思いますが、最も確実なスマホ依存度の確認方法はスマホに記録されている利用履歴を確認することでしょう。
iPhoneやiPadなどのiOSであれば「設定」>「スクリーンタイム」から週単位・日単位での利用時間やスマホに触った(持ち上げた)回数が記録されており、いつでも確認できますからね。
平均5時間は相当ですね。これは言い逃れできない…けどスマホ触っちゃう
スマホの長時間利用による悪影響
スマホの長時間利用がもたらす悪影響は多岐にわたります。
スマホの長時間利用が身体に及ぼす悪影響
まず視覚面では、スマホのブルーライトが睡眠の質を低下させるメラトニンの分泌を抑制し、継続的な眼精疲労を引き起こすリスクがあります。実際、スマホユーザーの約60%が、使用後に目の疲れを感じていると報告されています。
また、長時間の使用は首や肩への過度な負荷をもたらし、いわゆる「スマホ首」と呼ばれる慢性的な痛みや姿勢の悪化につながりかねません。
長時間のスマホ利用で起こる社会的な悪影響
社会的な悪影響をみていくと、対面でのコミュニケーションが減少することで感情認識能力や共感力が低下するという研究結果も出ています。これは、特に10代から20代の若者において顕著であり、スマホ依存が進むほどに人との直接的な交流が希薄になる傾向にあることが示唆されています。
集中力の面では、平均してスマホを2分ごとにチェックしているユーザーが多く、これが作業の中断や効率の低下(集中力の低下)に直結している事が報告されています。
これらの影響は、私たちの日常生活、仕事の生産性、さらには心の健康にも悪影響を及ぼしています。
スマホに触らない方法
スマホに触ってしまう依存症を感じているのは自分だけじゃなく日本人全体の過半数という事ですが、このスマホ依存症を治すにはスマホに触る頻度を下げる事が第一です。
スマホ自体が依存させるためにプッシュ通知など様々な工夫がされているので、やる気やモチベーションで解決するのは難しく一時的になりがちなので、以下の「スマホに触らない方法」を試してみて下さい↓
1.スマホを見える範囲に置かない
特に学生や資格試験を目指している方であれば、勉強時間にスマホを触る事は自殺行為に近いです。
まずスマホを視界に入らない場所に置くことで、自然と手に取る回数を減らすことができます。物理的な距離を置くことは、スマホへの依存を減らす第一歩です。
部屋の外に置く。電源を切っておく。後述するタイムロッキングコンテナ(スマホを封印する箱)を使うなどはかなり効果があるのでお勧めです。
2.電源を切る
スマホの電源を切ることは、スマホ利用を即座にストップさせる最も効果的な方法です。
特に就寝前や勉強時間など集中が必要なタスクを行う際に効果的で、使用意欲を物理的に遮断できるからです。
たとえば、睡眠前にスマホの電源を切ることで、平均睡眠時間が30分以上延びるという研究結果もあります。また、仕事中に電源を切ることで、集中力が途切れることなく、作業効率が最大20%向上するとのデータも存在します。
しかし、緊急時の連絡手段が必要な場合は、飛行機モードへの切り替えや、特定の時間だけ電源を切るなど、現実的な対応策を設ける必要があります。このように、電源を切る行為は、スマホ依存から脱却し、より意識的な生活を送るための第一歩になります。
3.アプリを消す
スマホ使用を減らすためには、中毒性が高いとされるアプリを削除することは効果的です。
特にSNSやゲームアプリは、設計上ユーザーが長時間使用するように意図されており、これらのアプリの使用時間は、日本国内での調査によると平均して一日に1時間以上とも言われています。
アプリを消すことで、これらの誘惑から距離を置き、自然とスマホの画面を見る頻度を減らすことができます。
ただし、完全にアプリを削除することに抵抗がある場合は、ホーム画面から非表示にする、あるいは使用時間を制限する設定を利用するという方法もあります。
4.プッシュ通知をオフにする
個人的にスマホを触ってしまう最大にして最悪の仕掛けがプッシュ通知だと考えています。
当たり前の機能となっているプッシュ通知ですが、「スマホに触らせる」という観点から見てみると、着信でもないのにロック中でさえも各アプリからの通知はとんでもない機能だと思いませんか?
LINEのメッセージやスタンプ単位でのプッシュ通知、ゲームアプリならイベントが始まったり時間で回復するスタミナ的なパラメータが回復するだけでもプッシュ通知で日常生活から誘うんですから。
事実、ある調査によると平均的なスマホユーザーは一日に数十回の通知を受け取っています。これらは集中力を散漫にし、生産性を下げる原因ともなります。
通知機能をオフにすることで、あなたは主導権を取り戻し、スマホの使い方を自分でコントロールできるようになります。(プッシュ通知を切るだけで、1日のスマホ使用時間は平均20%削減されるという研究結果もあり)
iOSやAndroidでは、「設定」メニューから個々のアプリの通知を簡単にオフに設定することが可能です。前述のアプリを削除するという段階までは踏み切れない人でも、アプリ毎の設定でSNSやゲーム単位でプッシュ通知をOFFにするだけでも効果はあります。
5.スクリーンタイムで現状を確認する
iPhoneやiPadなどのiOS製品であれば、設定から「スクリーンタイム」を利用して自身のスマホ利用状況を把握し、どのアプリにどれだけの時間を費やしているかを明確にすることが可能です。
前述した通りスクリーンタイム機能を活用することで、ユーザーは自身のスマホ使用パターンを詳細に把握でき、直近1週間の自分のスマホの利用時間や起動回数、使ったアプリ・サービスを時間別に確認することが出来、自分のスマホ利用状況と真正面から向き合う事ができます。(向き合わされます)
実際にこのデータを分析した研究によると、多くのユーザーはSNSアプリに平均して1日当たり約2時間を費やしていることが明らかになっています。
スクリーンタイムを見ることで、どのアプリが時間の浪費の原因になっているかを特定し、使用制限を設定するなど具体的な行動変容が可能になります。
6.スクリーンタイムの時間ロックを自分に掛ける
そしてスマホ依存症から脱却する第一歩として、このスクリーンタイムで自分のスマホに制限をかけるという事も重要です。
先述の通りスクリーンタイム機能は自分の直近のスマホ利用履歴を確認できる機能の他に、自分のスマホに制限をかける機能も搭載されています。
このスクリーンタイムの制限機能は主に、保護者が子供のスマホ利用時にペアレンタルコントロールとして利用される事が多い機能ですが、自分のスマホに自分で制限をかける事ももちろん可能です。
スクリーンタイムで制限できる項目は以下の通りです↓
【スクリーンタイムで制限できる項目】
休止時間: | 「休止時間」に設定した時間帯は、電話や許可してあるアプリしか使えなくなります。 |
アプリ使用時間の制限: | アプリカテゴリの1日あたりの使用時間(合計)で制限をかけることが出来ます。(ゲームアプリは1日合計1時間で制限など) |
常に許可: | 子供のAppleアカウントを管理している場合は、子供が日中や休止時間中にやりとりできる相手を制限できます。 |
画面との距離: | 「画面との距離」は、眼精疲労やお子様の近視になるリスクを軽減するため、iPhone や iPad をもう少し顔から遠ざけた方が望ましい場合にメッセージを表示して促してくれます。 |
コミュニケーションの制限: | 電話、メッセージ、FaceTime、マップは、デフォルトで「常に許可」に設定されていますが、削除することもできます。 |
コミュニケーションの安全性: | 主に子供のデバイスでセンシティブな写真やビデオが共有されないようにし、子供が安全な選択をするためのガイダンスや年齢に応じた参考情報が表示されます。そのような写真やビデオにはアクセスできません。 |
コンテンツとプライバシーの制限: | 自分のデバイスや、管理している子供のデバイスに表示するコンテンツの種類を決めておけます。 |
iPhone や iPad でスクリーンタイムを使う(Apple公式)情報源:
実は私もスクリーンタイムで寝る前の時間帯にセルフロックをしていますが「とふとしたスキマ時間にスマホやアプリを起動しようとしたら、スクリーンタイムによるロック中になっていてハッとさせられる」という経験ができます。
スマホの機能によって引き起こされる依存症であれば、それを解決するためにまたスマホの機能が活用できる。今の自分から未来の自分への”喝”を入れるような感覚ですね。
7.スマホのロック画面(壁紙)にメッセージを書く
また毎回触ってしまうスマホ自体をモチベーション管理に使うというシンプルながら効果的な方法もあります。
具体的にはスマホのロック画面に「スマホを触らないようにする」や「目標やモチベーションを高める言葉」を設定することで、スマホに触るたびに過去の自分のメッセージ(警告や喝)を確認することが出来るので意識的なスマホ使用を制限する効果的な方法です。
例えば、「今日はスマホを30分未満に」といった自己制約のメッセージや、「読書の時間」といった代替行動を促す言葉を壁紙にするのもビジュアルリマインダーとしての壁紙ができていいでしょう。
スマホのロック画面の壁紙を活用してスマホ依存症を抑える方法については、以下のページで具体的な壁紙も含めて詳しく解説しているので是非参考に活用してみて下さい↓
[sitecard subtitle=関連記事 url=★]実は行動心理学においても推奨されており、特に断続的なリマインダーが必要なスマホ依存の軽減に有効だとされています。この方法は、スマホの頻繁なチェックを減らすための、コストがかからず簡単に実行できる対策として、多くの専門家により推奨されています。
8.SNSをアンインストールする(難易度高)
前述の「スマホを触らない方法➂」で解説した部分と重複するのですが、特にSNSアプリをアンインストールはスマホ依存を減らす上で非常に効果的です。
SNSは私たちの時間を無自覚に消費するだけでなく、ストレスや不満感を高め精神的にも疲弊させることがあります。
一説によれば、FacebookやInstagramなどのアプリをスマホから削除することにより、一日平均50分から1時間以上もの自由時間が増えるという研究結果もあり、SNSがどれだけ私たちから時間と精神的なエネルギーを奪っているか分かりますよね。
さらに、SNSの使用時間が減ることで、人はオフラインの活動により多くの時間を割くようになり、実際のコミュニケーションや趣味に充てる時間が増えます。これは精神的な充実感につながり、総合的な生活の質の向上に貢献すると言われています。しかし、完全にアンインストールすることが難しい場合は、特定の時間帯だけ使用する、通知をオフにするといった段階的な対策を講じることも一つの方法です。
SNSは時間の浪費につながることが多いため、強い目標あるならアンインストールしてみましょう。その結果、リアルな人間関係により多くの時間を割けるようになり、人生に対する満足度が高まる可能性があります。
9.スマホ使い過ぎアプリを導入する
更に強力なスマホを触らないようにする方法が、スマホの使用を自動で管理するアプリをインストールする事でしょう。
最近はスマホ依存症が社会現象になっていることもあり、各アプリストアでは様々なスマホ依存症防止アプリが登場しており、中には無料で使えるものも多いです。
これらのアプリは、ユーザーが設定した上限時間を超えると使用を制限する機能を持っており、自分自身のスマホ使用パターンを理解し、調整することを可能にします。(導入後、ユーザーは平均して使用時間を20%〜30%削減するとの統計あり)
たとえば、「Forest」や「Stay Focused」のようなアプリは、使用時間の上限を設定できるだけでなく、その時間内で生産的な活動に集中するための動機付けも提供します。(使わなかった時間だけ森が育つなど)
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さらにこれらのアプリが便利な部分は、スマホの使用時間の統計データを提供し、どのアプリにどれだけの時間を費やしているかを明確に把握することが出来る点かもしれません。
10.宣言する
続いては原始的ですが最もシンプルな方法として”他人に宣言する”というのも後に引けなくなる有効な方法です。
「スマホを触らないことを家族や友人に宣言する」「時間内に決まった内容を達成することを宣言する」など、他人に宣言することで外部からのプレッシャーがモチベーションの維持につながります。
宣言する目標を前述した「スクリーンタイム」の利用時間にすれば効果倍増ですし、「この時間だけ集中したい」などの時には特に有効な方法です。
11.スマホ画面をグレースケールモードに変更する
もしかしたら疑問を持つ人もいるかもしれませんが、スマホ内のデザインをグレースケールに変更するだけでもスマホを触る頻度を減らすことができます。
そもそも私たちが普段使っているアプリのアイコンは、私たちの注意を引くためにカラフルにデザインされていますが、画面をグレースケールモードにすることで、その魅力が減りスマホに触る頻度を自然と減らすことが可能です。
カラフルで鮮やかなアプリのアイコンや通知は、私たちの脳に強い刺激を与え、無意識のうちにスマホをチェックする行動を促しますが、これをグレースケールモードにすることでこれらの刺激が和らぎ、アプリを開く誘惑が減少するんですね。
グレースケールにする効果も既に実績があり、実際にこの方法を採用したユーザーの中にはスマホ使用時間が日平均で30分から1時間削減されたと報告しているケースもあります。
グレースケールモードは、iOSとAndroidの両方で簡単に設定可能で、特に深夜や作業中など、集中を要する時間帯に適用することでその効果を最大限に発揮します。
[sitecard subtitle=関連ページ url=”https://ema-edu.jp/grayscale-mode/”]簡単に変更できる割にある程度効果がある方法なので、スマホに触らないようにしたい」と言う人にとって低いハードルで身近なところから始められる方法なのでまずは試してみて下さい。
12.タイムロッキングコンテナは超お勧め
そして物理的にも心理的にもスマホに完全にさわることが出来ない方法として「タイムロッキングコンテナ」という最終兵器があります。
もう見たまんまで説明の必要もないのですが、タイムロッキングコンテナは設定した時間までスマホを箱の中にロックすることができるという強力なスマホ依存症対策アイテムです。
スマホを物理的に触れなくなるのはもちろんですが、精神的にもスマホに触れないという諦めが付くのがポイントで、決まった時間帯だけスマホを封印したい際にはこれ以上の効果が見込める方法はない、まさに最終兵器と言っていい方法です。(タイムロッキングコンテナの詳細については以下のページでも解説しているので参考にどうぞ↓)
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://ema-edu.jp/time-locking-container-for-concentrate/]もし「気が付いたらスマホに触っていて集中できない」「いつの間にかスマホで時間を浪費してしまった」と悩んでいる人の中に、どんな方法でもスマホ離れできなくて本当に悩んでいるのであれば、このタイムロッキングコンテナを使ってみて下さい。