便利になることが必ずしも幸福に近づくとは限らないという事を最近感じる事が増えてきました。
特に顕著なのが「スマホ」でしょう。スマホの普及率は上がり、1日のスマートフォンの利用時間の平均は週平均1,189分(約20時間)にもなります。(1日平均で3時間弱はスマホを触っている)
今やスマホ依存症(スマホ中毒)が話題に挙がるくらいに問題になっているからこそ、「アホ携帯」と呼ばれるスマホが話題になっているので今回解説していきます。
そもそもアホ携帯とは?
アホ携帯とは、スマートフォンのように多機能ではなく、電話やメッセージ、アラーム、カレンダーなど、基本的な機能だけを持つ携帯電話のことです。
このような携帯電話は、アメリカでは「Dumb Phone(アホ携帯)」とも呼ばれて主に若者を中心に話題になっています。アホ携帯の目的は、ユーザーがスマートフォンの過剰な使用から解放され、よりシンプルな生活を送ることにあり、正に”スマホ中毒”の対策として話題になっているわけですね。
例えば、人気のあるアホ携帯の機種「Light Phone II」は、電話とテキストメッセージ、簡単なツールのみを搭載し、なんとインターネットやアプリケーションの利用を制限しています。
このため、ユーザーはSNSや動画視聴などに時間を費やすことが少なくなり、その代わりにリアルな世界との接触が増えるというのが最大のメリットです。
ちなみにこのダムフォン「Light Phone III」ですが、日本では以下のページで販売されていましたが、155,800円(税込)の完全予約注文品という事で高すぎますね。
自分のスマホをアホ携帯化する方法については後述していますので、わざわざ機能が少ないのに高額なスマホを買う必要はないでしょう。
アホ携帯がアメリカの若者に人気&話題になっている経緯
アホ携帯がアメリカの若者に人気となり、話題になっている経緯にはいくつかの背景があります。
まず、前述したように今や社会現象となっているスマホ中毒からの脱却が根底にあります。特に若年層のスマートフォン利用時間は全世代でも群を抜いて高く、多くの若者がスマートフォンの過剰使用に悩んでおり、SNSや動画視聴に時間を取られることに疲れを感じています。
そこにアメリカで有名なラッパー、ケンドリック・ラマーとのコラボレーションが話題を呼びました。彼がプロデュースした「Light Phone II」の限定モデルが即日完売したことで、一気に「Dumb Phone(アホ携帯)」に注目が集まりました。これにより、アホ携帯の存在が広く知られるようになり、人気が加速しました。
なぜアメリカの若者は「アホ携帯」を選ぶ?
今アメリカでは、"Dumb Phone(アホでも使える携帯電話)"が、本来のターゲット層の高齢者ではなく、スマホを使いこなすジェネレーションZ世代に人気となっています。
その人気の波に乗って、ラッパーのケンドリック・ラマーがこの11月2日に発売した "Light… pic.twitter.com/ttF7Ukk9r9
— Mimi Yamazaki (@positivenumber1) November 27, 2023
彼らの根底にあるスマホ中毒からの脱却要望に、有名人とのコラボレーションが重なり、アホ携帯はアメリカの若者に広く受け入れられ、話題となっています。今後もこのトレンドは続くと予想されます。
アホ携帯のメリット:敢えての不便がもたらす快適さ
アホ携帯を使う最大の目的が、スマホ中毒からの脱却でしょう。
電話、メッセージ、アラーム、カレンダーといった基本的な機能に絞られているため、スマートフォンに比べて非常にシンプルです。この制限された機能が、むしろ快適さをもたらしてくれます。(子供用のキッズ携帯のような感じ)
誘惑が減り、余計な時間を割かなくて済む
アホ携帯は、SNSや動画サイトへのアクセスが制限されているため、無駄な時間を過ごすことが減ります。
特にSNSや動画は非常に中毒性が高く、過去に「YouTube中毒の防止策」という内容で書いたページも良く読まれていることからも依存度はかなり高く弊害が出ている人が多いことが分かります↓
[sitecard subtitle=関連ページ url=”334″]しかし「アホ携帯」であれば、そもそも動画視聴もSNSを使う事も出来ないので、これらの誘惑に負ける事がなくなります。
その結果、目の前の人や出来事に集中できるようになります。例えば、家族との時間や友人との会話が増え、人間関係が深まるでしょう。
意外と盲点!?プライバシー情報の漏洩リスクも減る
アホ携帯の意外なメリットとして、プライバシーの保護もあります。
昨今ではスマホでもパソコンでも様々なサービスが様々な方法でユーザーの行動データを自動で取得しマーケティングに利用しています。
Cookieなどの仕組みは有名ですが、最近ではパソコンのウェブカメラから取得した情報すら利用しているようなので、”勝手に自分の個人的な情報を知られて怖い”と感じる人も以前より増えてきているのではないでしょうか。
対してアホ携帯は機能が少ないため、データ収集や位置情報の追跡が少ないため、個人情報の漏洩リスクが低くなります。これにより、安心して利用できます。アメリカでは、プライバシー意識の高いユーザーがアホ携帯を選ぶことが増えています。
“アホ携帯”のシンプルな見た目が逆に新鮮でクール
さらに、アホ携帯が話題になっている理由の1つにノスタルジーの要素もあります。
古い時代のシンプルな携帯電話を思い起こさせるデザインや機能が、若い世代に新鮮さを感じさせています。日本でも昭和・平成レトロブームの一環として、アホ携帯が注目されています。
一時期「デジタルデトックス」が流行し「子供用の防犯&連絡端末”キッズ携帯”を持とう」みたいなアイデアもありましたが、それと同じ考え方と言う訳ですね。
アホ携帯のデメリット:シンプルに機能が少ないので”不便”
一方でアホ携帯にはデメリットも存在します。当然ですが、アホ携帯は機能が限られているため、スマートフォンで行える多くの便利な機能を利用できません。
地図アプリやオンラインショッピングなど、現代の生活でよく使う機能が利用できないため、不便に感じることもあるでしょう。特に今までスマホで手元で何でも解決できた状況から一気に機能を削ぎ落したアホ携帯に移行すると、ギャップでストレスに感じることでしょう。
アホ携帯はシンプルな生活を求める人々にとって有用なツールですが、すべての人に適しているわけではありません。あなたのライフスタイルや目的に応じて、アホ携帯を選ぶかどうかを検討することが大切です。
自分のiPhoneでアホ携帯を作る方法
「大は小を兼ねる」なんて言いますが、そもそも手元にあるスマホでは「通話」などアホ携帯で出来る機能は全て搭載しています。
なのでわざわざアホ携帯を準備しなくても、自分のスマホの機能を制限する事で、自前で”アホ携帯化”することは可能です。
自分のiPhoneを使ってアホ携帯を作る方法は意外と簡単です。ここでは、その手順を具体的に説明します。
不要なアプリを削除&削除できないアプリは「スクリーンタイム」で非表示に
まず、iPhoneの不要なアプリを削除します。ホーム画面でアプリのアイコンを長押しし、「×」マークをタップして削除します。削除できないアプリもあるため、その場合は「スクリーンタイム」機能を活用します。「設定」から「スクリーンタイム」に進み、「コンテンツとプライバシーの制限」を選択します。そこで、不要なアプリの許可を取り消し、アイコンを非表示にします。
ホーム画面は最低限に
次に、ホーム画面をシンプルにします。必要なアプリだけを残し、他のアプリはフォルダにまとめて2画面目以降に移動させます。基本的な機能としては、電話、メッセージ、メール、カレンダー、時計、計算機、メモなどがあれば十分でしょう。
スマホの背景もシンプルなものを
さらに、背景をシンプルにすることで見た目もすっきりさせます。真っ白な画像を壁紙として設定すると、視覚的にもシンプルさが強調されます。「設定」から「壁紙」を選び、用意した白い画像を設定します。
最後に、カラーフィルタを使って画面全体をグレイスケール化します。「設定」から「アクセシビリティ」に進み、「ディスプレイとテキストサイズ」を選択します。「カラーフィルタ」を有効にし、「グレイスケール」をオンにします。これで、画面が白黒になり、さらにシンプルな見た目になります。
[sitecard subtitle=関連ページ url=”294″]このようにして、自分のiPhoneをアホ携帯に変えることで、スマホ中毒から徐々に解放され、よりシンプルな生活へ移行することが出来るかもしれません。
ただし、古いiPhoneを使う場合、最新のアプリがインストールできないことがあるため、注意が必要です。これらの方法を試して、自分に合ったシンプルなスマホライフを楽しんでください。